近年、FX証拠金取引の人気が高まっている。FX証拠金取引にはロスカット規制があり、一定比率以上の含み損を抱えた投資家に対して業者が自動的に反対売買を行う。その目的は投資家の損失を抑制し、業者の財務リスクを軽減するためであるが、投資の自由を制約するものであると反対する声も聞かれる。ロスカット規制の効果を検証した結果、一時的ではなく平時から気質効果が高い投資家がロスカットされる確率が高いこと、ロスカット後に気質効果が弱まること、リスクテイクの度合いよりも気質効果の方がロスカット確率には重要であることが明らかになった。これらの結果はロスカット制度が自発的に損切り出来ない投資家を対象として機能していることに加えて、ロスカットされた投資家にディシプリンを与えていることを示唆している。
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