研究課題/領域番号 |
25380397
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
葉 聰明 国際教養大学, 国際教養学部, 准教授 (20404858)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 金融危機 / 社外取締役 / 金融機関 |
研究概要 |
本研究では金融危機という外的ショックを利用し、企業統治と企業価値との関係を実証的に分析した。実証研究の結果、預金業務を取り扱う銀行において企業統治(取締役構成や役員株式所有等)と企業価値(リスク・テーキングを含む)との関係は統計的に観察されていない。それに対比し、銀行以外の金融機関においては企業統治と企業価値との関係は統計的の有意さが認められた。すなわち、取締役規模や役員株式所有は、危機前の企業リスクと正の関係を有し、危機の際の企業価値の減少にも関係することが報告された。 銀行は厳しい規制のせいで過剰のリスクテーキングが制限され、取締役構成や役員株式所有等などの企業統治要因にそれほど影響されないのではないかと考えられる。つまり、規制は企業統治の代替になるとの先行研究の結果を支持する。事実、銀行以外の金融機関に比較して、銀行の方は企業統治が弱いとの結果が本研究でも報告された。結論として適切の規制は銀行や金融機関の過剰のリスク追求を防ぐことができると本研究が示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、データを統計分析し、論文をまとめた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究成果をまとめた論文を、学会や学術雑誌に投稿する準備をしているところである。さらに、研究計画のように、次年度の研究活動を開始する予定である。具体的に、先行研究のレビュー、仮説の構築、一次・二次データの収集、データの分析と考察、論文の執筆、学会や学術雑誌での発表といった段取りで、研究計画を進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額の3,150円は、もともと本学の論文データベースに所蔵されていない論文(一本)を出版社から直接購入するためであったが、インターネットでその論文を入手することができたので、支出が不要になった次第である。 したがって、この3,150円は、次年度において本学の論文データベースに所蔵されていない論文がある場合に利用する予定である。
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