国際的な資本の流出入が新興国の金融政策運営に与える影響を考察するため、2つの分析を行った。まず、新興国では先進国と比べて、長期国債利回りが海外投資家による資本移動の影響を受けやすく、特にその傾向は世界金融危機発生以降に顕著であることがわかった。この結果は、経済規模の大きな先進国の金融政策の変更が、資本移動を生み出し、新興国の長期金利の変動を通じて金融政策運営をより難しくしていることを示唆している。次に、東南アジア諸国4か国では、世界金融危機後、金融政策運営手段に変化が生じたことがわかった。これは、世界金融危機以後の世界的な流動性の増加が、各国の金融政策の運営に影響を与えた可能性を示している。
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