研究課題/領域番号 |
25380427
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
張 楓 広島大学, 社会(科)学研究科, 特任講師 (30467758)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 備後地域 / 鏡台 / 徳島 / 静岡 / 家具 |
研究概要 |
1.2012年度12月に発表した論稿「戦後高度成長期における備後福山家具産地の展開:松永地区を中心に」(『広島大学経済論叢』36巻2号、2012年12月)をふまえて、鏡台産地の徳島・静岡産地について資料調査を行いました。まず静岡産地については、静岡家具工業組合所蔵の史料、静岡特産工業協会所蔵の1950年代以降の『考案年鑑』や「考案品登録原簿」、『静岡特産業界報』など、さらにデザイナー(有限会社創デザインオフィス代表清水俊彦)へのインタビューを踏まえて静岡県工業試験場に対する調査を行い、多くの資料収集を行いました。徳島産地については、徳島家具業界団体より一次資料を得られなかったが、徳島県立文書館から徳島県物産斡旋所事業報告書、徳島県工業試験場から試験場刊行の雑誌、また多くのメーカー、たとえば、徳島竹田鏡台店へのインタビューのなかで、重要な一次経営史料を得ることができました。以上のような調査をふまえて、2013年6月1日に東京大学で開催された第82回社会経済史学全国大会で自由論題「戦後家具産業の産地間競争:静岡・徳島の鏡台に着目して」を報告しました。 2.大阪家具に関する調査を実施しました。大阪府家具連合会の協力をえて、連合会所蔵『家具タイムズ』の1960年創刊号からの利用や撮影の許可をもらいましたが、1973年までの撮影は完了しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず静岡産地については、静岡家具工業組合や静岡市経済産業課の協力により、鏡台などの家具デザインに関するきわめて重要な資料を所蔵する静岡特産工業協会に辿りつくことができました。また徳島産地については、共同組合より資料の提供は想定より進まなかったが、業者へのインタビューに切り替えたことにより、多くの収穫ができました。さらに、2013年6月に社会経済史学会全国大会での報告により、いくつかの問題点が浮き彫りとなり、それを改善すべく、さらに調査を重ねていきました。
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今後の研究の推進方策 |
1.2014年度前半に鏡台の研究成果を論文にまとめて公表をめざします。 2.安定成長期以降の家具産地の展開について、備後府中を事例に、調査をすすめていきたいと思います。産地の「縮小」時代といわれる1980年代以降、高度成長期に構築されてきた産地ブランドや生産・流通構造がどのように変遷をたどっていくのかを課題とします。利用可能な膨大な資料は府中家具工業協同組合が所蔵しているので、その整理、分析をすすめて、年度末に成果を論文にまとめて公表をめざします。 3.引き続きまして大阪府家具連合会所蔵の『家具タイムズ』雑誌の撮影及びその他の所蔵資料の調査を行います。
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