研究実績の概要 |
「ドイツ農業とアメリカ金融資本の歴史的相関ーー未公刊一次資料に基づく実証的基礎研究」に関する第二年度の研究経過と成果は、以下のとおりである。① 図書館調査を踏まえた文献・資料の整備については、「ロンドン債務協定(1953年)の前史とアメリカ債Amerika-Anleihe」の問題に注目して、おもに「ベルリン図書館」(Staatsbibliothek zu Berlin)において計二回行った。ワイマル共和制下の独米関係とドイツ金融史をめぐる諸問題、そして、東部ドイツ農業の再建と「アメリカ債」の関連を理解するために必要な、H. J. Abs, Ch. Buchheim, K. E. Born, J. Jacobson, G. D. Feldmannらの基礎的文献を幅広く閲覧・収集できたことが成果であった。② 文書館調査としては、ベルリンの「ドイツ連邦文書館」(Bundesarchiv Berlin)において、ドイツ・ライヒの「会計検査院」(Rechnungshof des Deutschen Reiches)関連資料に狙いを定めて、数年来の継続的課題である「アメリカ債」の原資料を探索した。③ 研究成果として、二つの論文を発表し、さらに、本研究全体の総括を意識しつつ、論考「1920~30年代のドイツにおける債務問題の実体と帰趨ーー『ロンドン債務協定』(1953年)の前史と『アメリカ債』」を執筆して、学会誌に投稿した。
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