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2015 年度 実施状況報告書

ドイツ農業とアメリカ金融資本の歴史的相関ーー未公刊一次資料に基づく実証的基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380428
研究機関広島大学

研究代表者

加藤 房雄  広島大学, 社会(科)学研究科, 名誉教授 (90104869)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードアメリカ債 / ドイツ農業 / 世襲財産
研究実績の概要

「ドイツ農業とアメリカ金融資本の歴史的相関ーー未公刊一次資料に基づく実証的基礎研究」に関する平成27年度の研究経過と成果は、以下のとおりである。図書館・文書館調査を踏まえた文献・資料の整備については、プロイセンのフィデイコミス(Fideikommiss)をめぐる諸問題に注目し、「ベルリン図書館」(Staatsbibliothek zu Berlin)を中心に行った。マックス・ウェーバー(Max Weber)の世襲財産論(1904年)の理解を深めるため、彼の書簡類を収めた最新の「全集」Ⅱの4(2015年刊)などを通読し、1904年7月19日付ベロウ(Georg von Below)宛書簡などを発見できたこと、さらには、文献検索を経て、東プロイセンのワイマル期の農業実態を精査した1929年刊の調査報告書等をコピー化したことが、さしあたっての大きな成果であった。前者は、ウェーバー自ら世襲財産論の核心を簡潔に語っている点で、また後者は、ヴェーラー(Hans-Ulrich Wehler)らによるドイツ農業の通説的理解を疑問視する事実認識を含む点において、重要な意味を持つ。研究成果としては、当初の計画どおり、ドイツ語の論考を一つ発表するとともに、平成28年公表予定の二論文の完成稿を仕上げた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、以下の六つの課題によって構成されている。① ドイツでのレビュー・討論、② 基礎的な重要文献の収集(図書館調査)、③ 未公刊一次資料の収集と解読(文書館調査)、④ データのパソコンへの入力、⑤ 論文執筆、⑥ 研究会の継続。平成27年度においては、このうち、①と⑥を行いながら、②と③に主眼を置く予定であった。③については、前年度中に行った「ドイツ連邦文書館」調査により、当初の計画は基本的に果たされたので、本年度は、②と⑤に傾注した。その結果、②についても、次の研究課題(ドイツ世襲財産の諸問題)関連の文献検索の実行にまで視野を拡げながら、最終年度の本来的課題である論考の作成を基本的に終えて、研究は、「おおむね順調に進展している」。

今後の研究の推進方策

本研究の最終年度(平成28年)の実施計画は、交付申請書に記載のとおりであるが、現在までの達成度が、順調な進捗状況に鑑みて、今年は、二つの論考の公表を実現するために努力するとともに、現在構想中の次の継続課題を先取りする仕方で研究を推進する予定である。なお、二つの論考のタイトルは、ワイマル期ドイツの「アメリカ債」と「ロンドン債務協定」--金融史と農業史:交錯の一齣、ならびに、1920年代以降期のドイツにおける「アメリカ債」の償却ーーロンドン債務協定(1953年)の前史に関する一考察、である。前者は、「広島大学経済論叢」第40巻第1号(2016年7月刊行予定)への掲載が決定し、また後者は、「社会経済史学」に掲載予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 2件)

  • [雑誌論文] ワイマル期ドイツの「アメリカ債」と「ロンドン債務協定」2016

    • 著者名/発表者名
      加藤房雄
    • 雑誌名

      広島大学経済論叢

      巻: 40巻1号 ページ: 印刷中

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Probleme der preussischen Fideikommisse2015

    • 著者名/発表者名
      Fusao Kato
    • 雑誌名

      The Hiroshima Economic Review

      巻: Vol. 39, No. 1 ページ: 25, 45

    • 査読あり / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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