研究課題/領域番号 |
25380434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
岩間 俊彦 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (20336506)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ジョン・ブライト / イギリス / 19世紀 |
研究概要 |
英国のストリート、ロンドン、バーミンガムにて、ジョン・ブライトに関する未刊行手稿資料、刊行資料について調査した。 ストリートでは、ブライトと彼の娘やブライトと親交のあった政治家に関する大部の書簡群を調査した。また、これまで所蔵先が不明確であったジョン・ブライトの演説や伝記に関わる刊行物についても調査した。 ロンドンでは、英国図書館にて、ブライトと親交のある政治家、行政官、政治運動家たちの書簡を調査した。 バーミンガムでは、これまで存在がほとんど知られてこなかったブライトとバーミンガムの社会文化エリートとの間の書簡について調査した。 これらの調査と資料分析の結果から、第一に、ジョン・ブライトとバーミンガムのエリートとの関係は、バーミンガムや全国の政治経済状況により変化していったことが、確認された。第二に、ブライトが精力的に政治活動を行っていた時期において、家族間の書簡は常にブライトの立場や心情をあらわすわけではないことが、判明した。第三に、ブライトの演説を出版した小冊子や彼の伝記は、既存の研究では十分に参照されていないものがあり、これらを分析して、既存の研究成果を精査する必要性が判明した。また、ブライトの政治経済上の活動は、書簡や小冊子だけでなく、同時代の新聞記事がより詳細かつ具体的な情報を収録している場合があることも判明した。 本研究に関連した成果として、19世紀中ごろのイギリス地方都市の選挙について考察した英語論文をNorthern History(査読有)で刊行しただけでなく、18世紀から19世紀初めのイギリス政治経済を的確にサーベイした英語論文を収録した書籍(『オックスフォード ブリテン諸島の歴史 18世紀』)の翻訳を共同で刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に関連した成果を刊行し、2年目以降も本研究に関連する論文等の草稿を推敲・改訂することにより、今後も研究成果を公開できる見込みである。また、今後も学会報告や論文投稿の予定を計画できるだけでの資料調査や資料の考察が進んだ。 他方で、大部の未刊行手稿資料群の調査や英国図書館等におけるジョン・ブライトに関連する手稿の調査は、注目箇所等を絞ったとしても、多くの時間と労力を割く必要があることが判明している。
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今後の研究の推進方策 |
2年目には、英国ストリート、ロンドン、バーミンガム等において、未確認のジョン・ブライトと彼の娘との間の大部の書簡群、ブライトの家族間の手稿資料について調査する。また、ブライトと親交のあった政治家・政治運動家の書簡も引き続き調査する。さらに、上記資料と関連した証言を同時代の新聞の調査を通じて入手する。 これらの資料調査と並行して、研究文献の検討を行いながら、ジョン・ブライトと出身選挙区の関係やブライトと同時代の政治経済状況の関係について分析を深化させる。 関連する研究成果の公開として、2014年9月に開催される国際学会での研究報告を行うとと共に、ブライトと出身選挙区に関する論文を完成させる。
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