英国のストリート、ロンドンにて、ジョン・ブライトに関する未刊行手稿資料、刊行資料について調査した。 ストリートでは、過去2年度の調査をふまえて、未確認分のブライトと彼の親族(彼の妻、娘、息子、父母、姉妹等)に関する莫大な量の手稿資料について調査した。また、ブライトと彼の親族が関わった出版物やブライト等の政治活動の記録に関する刊行資料や刊行資料の抜粋について調査した。これらの資料調査から、ブライトの政治活動とその背景が、書簡や刊行資料と共に密接に関わることを示す証言や史実を確認することができた。 ロンドンでは、ジョン・ブライトとリチャード・コブデンやウィリアム・グラッドストンをはじめとする政治家等の間の書簡について調査した。これらの調査を通じて、同時代におけるブライトの政治構想や社会観に関する研究を進めるための証言を得ることができた。 上記の調査や研究活動の成果の一部として、バーミンガムにおけるジョン・ブライトの世論がいかに変容したかといった点を明らかにした英語論文を寄稿し共著論文集として刊行した。さらに、同論文に対して、追加の資料調査・分析をふまえて議論を精緻化した上で完成した改訂原稿を、英国の学術誌(査読あり)に投稿し掲載が決定した(2016年4月刊行予定)。また、2015年10月に2015年度政治経済学・経済史学会秋季学術大会で、ブライトの出身選挙区であるバーミンガムに関する都市の統治と歴史の記録事業に関する学会報告を行った。
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