近世のエルベ川以東のヨーロッパにおいて、農場領主制(グーツヘルシャフト)というタイプの封建領主制が発展したことはよく知られている。農場領主制に関する研究は、これまで、主として農業史的な観点から行われてきた。しかしながら、農場領主(グーツヘル)は自らの直営農場を経営しただけでなく、しばしば自らの直営林をも経営した。本研究は、領主直営林における(をめぐる)領主と農民の関係について、18‐19世紀ブランデンブルクにおけるプロイセン国王の御領林の事例に即して包括的に研究し、農場領主制研究の視野を森林史の方面にも拡げることに貢献した。
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