1.資料の収集、整理、分析:一部第二次大戦中を含めて、第二次大戦終了後から高度経済成長期前(1950年代前半)を対象に、必要な資料の収集、整理、分析を行った。研究代表者は、主に、中小企業の組合組織化及びこれに対する診断・指導に係る資料の収集等を進めた。年度当初の計画では、金融政策を含める予定であったが、組織化等に係る資料が新たな公開分を含めたかなりの量となったため、対象を絞り込んで分析を進めた。とくに、広島県公文書館では、当時の組織化政策等の実態を施策を実行する県レベルで詳細に把握できる資料を収集することができた。また、研究分担者は、引き続き、技術関係・軍関係の資料の収集、分析を進めた。 2.国会議事録データ等の整理、分析:前年度に制作したプログラムを使用し、国家議事録データをキーワードを含むパラグラフ単位で分析した。パラグラフ単位の分析を採用したことで、キーワードの出現回数だけでは発言の重要性や内容を分析することができた。たとえば、ある議員が一回の発言のなかで「中小企業」を連呼すれば、その発言に過剰な重みづけがされてしまう。そこで、キーワードの数に関係なく、キーワードが含まれるパラグラフの回数をカウントし、同時のそのパラグラフを特定できるようにした。また、キーワードを含むパラグラフが、他にどのような言葉を含むかを分析することで、キーワードの含意を分析できると考えた。これにより、「中小企業」が当初から「工業」や「貿易」と強い関係を有していたことが明らかになった。さらに、文章を単語に分解し品詞を特定する形態素解析を用いて研究者の意図しないキーワードを抽出、それを用いた資料の分析を行った。 3.成果の発信:研究分担者は、旧海軍実験所跡の調査について、戦後への技術的影響を含めて、地元での講演会や新聞インタビューにおいて成果を広く発信した。
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