本研究では,企業価値評価におけるプレミアムとディスカウントに関する研究を行った。とくに,クロスーボーダーの企業価値や事後価値の評価においては,株式の資本コストにおけるマーケット・リスクプレミアムとカントリー・リスクプレミアムの算出が問題になる。研究では,アジアを中心とする新興国のマーケット・リスクプレミアムとカントリー・リスクプレミアムに関する理論モデルを整理し,実際の市場データを用いて実践的な数値を継続的に算出することに成功した。また,日本国内のM&Aで取り上げられることが多いCAPM型のサイズプレミアムについて,近年では消滅している可能性を発見した。
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