研究課題/領域番号 |
25380467
|
研究機関 | 東京福祉大学 |
研究代表者 |
松村 幸輝 東京福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (60239077)
|
研究分担者 |
白木 三秀 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (80187533)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | グローバル人材育成 / 進化計算手法 / 人的資源管理 / 海外派遣適性評価 / 相関性 / データマイニング / 支持度 / 信頼度 |
研究概要 |
2008 年9 月のリーマン・ブラザーズの破綻に端を発した経済情勢の悪化は一気に世界中に広がった。震源地のアメリカのみならず,ヨーロッパ,アジアのすべての地域で大きな影響を被った。日本企業も例外ではなく,そのほとんどが不況に喘いだ。また,最近では中国をはじめアジア諸国からの追い上げも激しく,さらには国交関係の悪化から今までにない緊迫した状況になっており,日本企業は増々厳しい状況にある。このような経済危機の中で,日本企業の海外派遣者,より正確にはグローバル・マネジメント人材にはどのような資質や能力が必要とされるかを検討することが急務となる。しかしながら,グローバル・マネジメント人材に必要とされる能力や人格といったものは一朝一夕に形成されるわけではなく,また今回のような経済危機の時代にのみ必要とされるというよりは,より構造的な課題であり,本社のあり方や現地法人のガバナンスのあり方にも関連する中長期的な問題である。 このことから,海外派遣適性を事前に評価するために,海外派遣駐在員等にアンケート調査を実施し,分析手法に相関ルールの指標である支持度,信頼度を用いて成果と相関性が強い資質や能力などの要件を見出し,進化計算によって判定のための決定木を最適化した。そしてそれに基づいて派遣候補者の効率的な選抜を支援する評価ツールを作成した。その結果,日本人派遣者と現地人スタッフの認識の違いを示し,分類に適したデータを選定して精度の高い決定木を作成するとともに,海外派遣に重要な資質・能力について検討し,種々の有用な知見を得た。そしてこれら得られた結果に基づいて作成した適性評価ツールは有効であるものと考えられた。今回は,海外派遣の対象地域を中国,インド,ASEAN とした。今後,システム向上のためにデータを採取する地域の拡大が必要だと思われる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究当初に計画していた分析手法に相関ルールの指標である支持度,信頼度を用いて成果と相関性が強い資質や能力などの要件を見出し,進化計算によって判定のための決定木を最適化することが期待できるためである.
|
今後の研究の推進方策 |
今後,システム向上のためにデータを採取する地域の拡大が必要だと思われる。今回は,海外派遣の対象地域を中国,インド,ASEAN とした。したがってその分析結果や作成したシステムもその地域への適応性を検討することに特化したものとなっている。今後は調査対象地域をアジア方面のみならず,ヨーロッパやアメリカなどに拡大することで本システムの汎用性を高めるとともに実務レベルでの活用を実現させることを検討している。
|
次年度の研究費の使用計画 |
旅費が計画していたよりも掛からなかった. 次年度で使用の予定である.
|