研究課題
地域ビジネスの枠組みを測定可能な概念として捉えた。具体的には、地域の様々な担い手が内部力(ジモティ)と外部力(ヨソモノ)を結びつけ、いかに連携して地域資源を活用して地域力を高めることをアンケートによる定量分析と事例研究によって示した。さらに、都市部と地方部との比較を行った。都市部の代表として東京都港区を対象としてアンケートと事例研究を積み重ねた。地域のアイデンティティを認識して,「地域性」を見直し,地域資源としていかそうとする行動は,「都市の中の都市」「東京の中の東京」の港区にも表れている。そこでは,外部力と内部力のコンビネーションがみられる。例えば、虎ノ門ヒルズのように,日本文化と外国文化のコンビネーションが和のテイストを重視する形で発展するのに加えて,日本国内の地域性,即ち,都市と地方のコンビネーションに関心が高まっている。外国文化に飽き足らない人々が増えて,日本国内の「地域性」に関心が高まっている。そうした内部力と外部力のコンビネーションを通じた港区の地域ビジネスの展開がみられる。「内部力による地域内部資源の研究」と「外部力からの地域資源に対する洞察力」が組み合わされることで「地域が持つ価値」が表出される。地方の地域性を売っていくことは,地方の内部力(ジモティ)だけではなく,地方にとっては外部力(ヨソモノ)の都市部だからこそ牽引役となりうることを示した。多くの地域への移住者は,所得が高いから移住する訳ではなく,地域での仕事,あるいは,その地域の働き方,その地域の生き方に価値を見出して移住する。地域それぞれの生き方こそ最先端であるという考えが広まっている。ビジョンをもって,地域をデザインし,地域ならではの物語(Site Specific Storytelling:SSS)を考え,現在とのギャップを埋める戦略をたてようという経営行動といってよい。
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経営行動研究年報
巻: 第25号 ページ: 78-82
Service Science, Management and Engineering
巻: 16 ページ: 11-15