今年度は、昨年度までの研究成果をもとに、研究の総まとめを行った。また、その内容を国際会議で報告した。よって、昨年度に引き続き、今年度もいくつもの国際会議にて多くの研究者と議論する機会を得た。このことが、本研究の進展に大きく貢献した。 日本において、オープンイノベーションに取り組む企業が増えてきた。それだけ、共同開発の必要性が高まっているのである。そこで、オープンイノベーションやその他の形の共同開発を実践している企業と連携し、本研究の成果を検討・精緻化した。 一方、国際会議における海外の研究者との議論は、日本とは異なる視点を得るのに大いに役立つものであった。海外でも、オープンイノベーションや、その国あるいは地域の特殊性に基づくユニークな共同開発の取り組みが多数存在している。よって海外研究者は、自らの研究から得られた知見に基づき有意義なコメントをくれた。 特に、ヨーロッパの研究者は、アメリカで拡大するオープンイノベーションとは異なる視点を持つ人が少なくない。このため、アメリカだけでなくヨーロッパの研究者と交流することが、研究の進展において極めて重要であった。これまでは西ヨーロッパの研究者と交流することが多かったが、今後は、東ヨーロッパの研究者と交流することも視野に入れるべきであることを認識した。 この研究成果を、今後さらに精緻化する、企業関係者や国内外の研究者と議論することができるだろう。本年度の研究は、そのための十分な進展があったと言える。
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