本研究は、「組織的なネットワーク」の衝突がイノベーションを生み出すと主張する「不協和 (dissonance)」の理論(Stark 2009) を基礎とする。実証において、文化が制度化され、産業が変化するダイナミズムを、認知論、制度論、ネットワークとの関連から検証した結果として、ネットワークの構造と異質な文化の衝突が、オーディオ産業やアパレルなど消費者の文化的な嗜好が大きな影響を持つ「クリエイティブ・インダストリー」においては、イノベーションに大きな影響を及ぼすことが示唆された。多様性の組織化をネットワークの組換えによるイノベーションと捉えることで、本研究は組織論と戦略論分野に貢献する。
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