研究課題/領域番号 |
25380480
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
小川 憲彦 法政大学, 経営学部, 教授 (30434179)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 組織社会化 / 組織社会化戦術 / プロアクティブ行動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、個人が組織内の役割を引き受けるのに必要な社会的知識や技術を獲得する過程と定義される「組織社会化」を促す諸作用とその効果の経時的変遷を実証的に把握することである。大まかな取り組みとしては、組織社会化にかかわる諸変数の経年測定、同一説明変数の効果の継時的確認、および説明変数同士の作用の大きさの相対的重要性の確認という3点が実施される。 本年度は、説明変数としての組織社会化戦術とプロアクティブ行動、被説明変数としての適応学習、組織コミットメント、役割志向、および離職意図の測定の4年目の測定が行われた。現在はそれらの集約と翌年度の学会発表に向けた分析準備が行われている。 また組織社会化戦術の一旦としての採用選抜活動にかかわる質問票調査が実施され、その集約と学会発表ならびに海外ジャーナルへの掲載も行われた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、(1)入社4年時点における諸変数の測定、(2)測定済である入社3カ月経過時点の独立変数が、4年経過時点で測定した従属変数に与える効果の分析、(3)入社3カ月経過時点・1年経過時点・2年経過時点・3年経過時点および4年経過時点で測定した独立変数が、4年経過時点の社会化成果に与える効果の分析とその結果の比較・統合、(4)入社3カ月時点の独立変数が入社1年時点の従属変数に与える影響、入社1年時点の独立変数が入社2年時点の従属変数に与える影響、入社2年時点の独立変数が入社3年時点の従属変数に与える影響の分析に加え、入社3年時点の独立変数が入社4年時点の従属変数に与える影響の分析とその結果の比較・統合、(5)上述の分析枠組みに基づいたドミナンス分析、および(6)その成果の公表が実施される予定であったが、(5)までは実施されている。(6)については、海外学会であるため、一部成果の提出のタイムラグが生じてはいるが、翌年度での発表が予定されており、特に問題はないと考える。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の一つの特徴は、同一サンプルに対し、同一変数を継続的に測定し、同じ分析枠組みに基づいた効果の変化あるいは恒常性の有無を把握するという点にあり、用いられる変数や実施内容は基本的に最終年度まで大きな変化はない。 したがって本年度は入社5年目のそれら変数の測定と分析を行い、できるだけ早い公表を目指す。英文での公表には国内のそれに比較してより多くの時間を要するため、いったん国内での発表を行い、次いで海外での公表という形でスムーズな公表の推進を目指す。 また、本年度は最終年度であるため調査協力者に対する報告書でのフィードバックも郵送で行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
学会発表の時期が3月下旬であったため、一部精算が次年度に持ち越されたためであると思われる。
|
次年度使用額の使用計画 |
調査の実施費用、成果発表関係の費用(学会参加費、英文校正費用、調査協力者へのフィードバック印刷・郵送費用)、ならびに成果公表のためのWEB画面の発注費用などを予定している。
|