研究課題/領域番号 |
25380482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
三和 裕美子 明治大学, 商学部, 教授 (10287881)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ESGイシュー / エンゲージメント / 株主アクティビズム / ESG投資 |
研究概要 |
2013年度は、海外のESG投資に関する先行研究を主に行い、次に企業評価項目としてESGの可能性を検討した。環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)ごとに株主のアクティビズム行動、あるいはエンゲージメント行動の事例や実証分析をサーベイした。ESG評価項目としてひは、ベースとなるアイディアとして、 ESGに関連した問題(以降、ESGイシュー)の開示(の有無)が企業価値に影響を及ぼす可能性を検討した。具体的な検討項目を以下に示す。 ① 企業属性(財務状況、事業活動の内容、経営方針等)によって、ESGイシューが企業価値に及ぼす影響の度合いが異なること。 ②(企業価値に影響を及ぼす)ESGイシューの情報開示を促進する(エンゲージメントする)ことは、情報の非対称性を解消し、企業価値の増大を促進すること。 ESG評価を行うにあたり、評価に必要となるデータは、 ESGイシュー及び、ESGイシューに関連する指標(KPI)となり、全企業に共通するESGイシュー(共通イシュー)と産業別のESGイシュー(産業別イシュー)、 各ESGイシューの情報のタイプ(企業を評価する際の項目に該当)ごとに分けて考える必要があることが明確になった。共通のESGイシュー(共通イシュー)には、 国際規範に掲げられているESGイシュー(ISO26000、GRIガイドライン(GRI3.1))などがある。産業別のESGイシュー(産業別イシュー)には、 産業やセクターに共通して見られるESGイシュー(EFFAS for KPI)があるが、多数ある産業セクターの中で、各産業セクターが掲げているKPIから、類似している産業セクタ にーに再分類する必要あることなどを検討した。この考え方を基に環境・社会・ガバナンス分野において企業に共通するイシューと産業別イシューを探り、企業評価項目を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究についておおむね順調に推移しているが、海外調査については昨年度実施できなかったため、今年度重点的に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は、以下のように研究を推進していく。①エンゲージメントのモデルの研究、②ESG項目と企業価値との関係に関する研究、③報告書の作成、④平成26年10月、日本経営財務学会報告予定。 まず、機関投資家のエンゲージメントモデルについて考察する。具体的にオーストラリア、ノルウェー、スウェーデン、オランダなどの年金基金のエンゲージメント動向を確認し、エンゲージメントの仕方について検討する。次に、昨年度からの課題であるESG項目と企業価値との関係に関する研究を発展させる。エンゲージメントに関するヒアリング調査などについて報告書をまとめる。10月に開催される日本経営財務学会にてこれらの研究について報告を行い、エンゲージメントモデル、ESG評価項目について一定のモデルを提示する。 エンゲージメントについては、具体的な項目を検討し、企業のエンゲージメントのしやすさをエンゲージメントスコア(数値化)することを考える。ESG評価項目については、開示とそれぞれの項目との関連性を共通黒目・産業セクター別項目に分けて考察する。
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