研究課題/領域番号 |
25380490
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
三谷 英貴 立命館大学, 経営学部, 准教授 (80584052)
|
研究分担者 |
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 教授 (90347732)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 多角化 / プロダクト・ライフサイクル / 選択と集中 |
研究概要 |
本研究における研究目的は次のようなものである.わが国企業を取り巻く外部環境の変化(「国境を越えた企業間競争の激化」「製品・サービス市場の構造変化(国際的な規模での寡占化の進展)」「主力商品のプロダクト・ライフサイクルの短命化」),及び,企業内部の環境の変化(「人的資源(雇用)の国際化・流動化」「賃金体系の多様化」)が,企業の資金調達行動(コーポレート・ファイナンス)に及ぼす影響を実証分析し,国際的な規模で進展する環境の変化に適応することができるような企業の財務政策をデザインすることを目的としている. このような研究目的を達成するために,与えられた3年間の本研究期間に,企業を取り巻く外部環境の変化,及び,外部環境の変化によって誘発される企業内部の環境の変化が,資金調達行動に及ぼす影響を,企業の財務政策立案に寄与できるレベルを目指して詳細にかつ具体的に明らかにする. 我々の3年越しの研究の初年度に当たる本年度は,OECDに加盟34カ国の製造業8,964社のセグメントデータを用いて各企業の多角化の程度を表す指標を構築した(サンプル期間は2004年~2011年).その指標をベースに多角化企業のファイナンスを分析するべく実証分析を行った.また,多角化している企業が同時に選択と集中戦略を採用しているという現実をふまえて,一見すると矛盾する戦略を採用している企業のファイナンスがどのように変化しているのかという点も実証分析した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,データセットの構築を目標としていた.しかしながら,研究が順調に進み,一通りの分析を終えることができた.現在は論文を執筆しているところである.
|
今後の研究の推進方策 |
今後は外部環境の変化に誘発されて生じる内部環境の変化がファイナンスに及ぼす影響を分析することになる.企業の内部環境はさまざまでありそれら全てを取り上げることはできない.我々が注目している内部環境は人的資源である.今後の研究推進方策としては,外部環境の変化によって生じたであろう人的資源の変化を何らかの指標で定量化し,それらの変化がファイナンスに及ぼした影響を分析していきたいと考えている.
|
次年度の研究費の使用計画 |
本年度はデータの分析に研究を集中させたため,論文の執筆まで力が及ばなかった.そのため,英文校正費用や海外での学会報告などできずに終わってしまった.次年度使用額が生じた理由はこの点にある. 使用計画としては,本年度中に済ませたデータ分析の結果をもとに論文執筆を完成させ,その論文を英文校正に使用するとともに,海外での学会報告も予定していることからその旅費にも使用したいと考えている. 次年度は,研究の焦点が次のステップに進むことから,新しいデータベースの購入も視野に入れている.資金はそのデータベースの購入にも使いたいと考えている.
|