研究課題/領域番号 |
25380492
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
松本 雄一 関西学院大学, 商学部, 教授 (10336951)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 実践共同体 / 経営組織 / 介護施設 |
研究実績の概要 |
本年度は介護施設のほか、実践共同体(学習のコミュニティ)といえる他の共同体・組織も含めて、事例調査を進めてきた。介護施設ではこれまでの「学習療法」を実践する施設に加えて、身体的な運動を通じた運動機能の回復を目指す施設にも調査をすることができた。しかし取り組む療法の違いにもかかわらず、施設では実践共同体が作られ、お互いに技能向上のための学習活動をしていることがわかった。これらの成果は2つの学会発表(経営行動科学学会、日本認知科学会)において発表した。 また事例調査活動と同時に、先行研究の検討活動も行った。特に実践共同体において重要であると思われる「成人学習論(成人に焦点をあてた教育・学習理論)」、「生涯学習論(生涯学習を進める教育・学習理論)」の文献検討をおこない、実践共同体を構築・運営するにあたっての理論的基盤を確立し、実践とのリンケージを考えた。その成果は2本の論文としてまとめている。 そして介護施設の事例と並行して調査している教育サービス会社の事例は引き続き調査しているが、その研究成果が学会論文(組織学会)と著書(分担執筆の一章)としてまとめられた。学会論文は採択が決定し、近日掲載・刊行される。 今後の研究計画としては、単著の原稿を執筆し、まとめあげることである。そのためには介護施設の事例をより確かなものとするために、追加的な調査も必要かもしれない。必要に応じて実施し、来年度中の成果発表を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介護施設の事例調査をもっと活発に実施したいところであったが、他の実践共同体の事例と並行して実施したり、文献検討による論文執筆を行っていたため、十分できているとはいえない。しかし他の事例との比較検討や、理論的基盤の確立のために必要な研究活動であったため、研究活動全般としては順調に進展しているといえる。次年度に向けて、計画的な事例調査について検討する。
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今後の研究の推進方策 |
著書の原稿執筆と事例調査を並行して実施する。事例調査は論点を絞って実施し、どちらかが遅滞しないように進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
事例調査が十分にできなかったことで、当初旅費として考えていた予算の使用が進まなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
事例調査とあわせて、海外の学会に参加することで、使用する。
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