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2013 年度 実施状況報告書

優良部品メーカーの製品開発力に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380495
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

柴田 友厚  東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10380205)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード製品戦略 / 部品メーカー / 標準化 / 設計思想
研究概要

本研究の目的は、長期安定的に高い収益性を維持している部品メーカーに焦点をあて、その製品開発力とその獲得プロセスを、脱下請への戦略転換プロセス、製品の設計思想、製品開発プロセス(体制)、分業構造のダイナミズム、国際分業体制という5つの視点から、フィールドワーク等によって解き明かそうとするものである。本年度は初年度目であり、対象企業としてキーエンスとヒロセ電機を選択した。これらの企業の下請けからの脱却プロセス、および部品の設計思想について分析を始めた。同時に、PICMETでマブチモーターに関する論文を発表した。
・下請けからの脱却プロセス
現在の優良部品メーカーであるキーエンスやヒロセ電機も、最初から標準化を軸にした製品戦略を採用していたわけではない。当初は下請けとして特注品を作っていたのである。その部品メーカーが、どのようにして戦略の転換を行ったのか、そこにはどのような課題がありそれをどのようにして超えたのかを、公刊資料を中心にして分析を始めた。
・製品(部品)の設計思想
製品の設計思想は、すり合わせ型と組み合わせ型に大別できる。前者は顧客の微細な要求に答えることができるが効率性に劣り、後者は事前にインタフェースルールを決め標準部品の組み合わせで設計するために効率性に優れているが、顧客の細かな要求にまで答えることは難しい。キーエンスとヒロセ電機を、アーキテクチャの位置取りで考えると、外インテグラル内モジュールに位置ずけられると推論できる。パンフレットなどを用いたさらなる詳細な分析を始めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

キーエンスとヒロセ電機の調査を既に開始すると同時に、部品メーカーであるマブチモーターに関する研究発表を既に行った。

今後の研究の推進方策

今後キーエンスとヒロセ電機に関して特に以下の内容の分析をすすめる。
・製品開発の仕組みと組織体制 製品の設計思想とその開発体制には相性が存在するはずだ。それゆえ高収益を長期安定的に維持している優良部品メーカーは、安易に特注化しない戦略的な開発の仕組みを確立しているはずである。それらを社内資料の分析、インタビュー等により明らかにする。
・完成品メーカーとの分業体制 部品は完成品の中に組み込まれるために、部品メーカーと完成品メーカーとの適切な分業関係が重要になる。技術と産業の発展状況に応じて、部品はより大きなまとまりとして統合化したり、あるいはより小さな部品に細分化されたりする動態的な性質を持つ。つまり部品と完成品の境界は変動するために、部品境界の変動に応じて、完成品メーカーと部品メーカーの組織的分業関係も変わるはずである。部品メーカーと完成品メーカーとの分業関係はどのように変動するのか、そしてどのように管理されているのだろうか。それらをインタビュー、特許データの分析による協業関係の特定などにより行う。
・グローバルな分業体制 優良部品メーカーもまた、グローバルに開発生産体制を展開しているのだが、どのようなグローバル分業体制が有効なのだろうか。設計思想と分業体制の間には相性が存在することが知られているが、それゆえに、部品の設計思想はグローバルな分業体制にも影響を及ぼすに違いない。優良部品メーカーのグローバル分業体制を明らかにするために、インタビュー、現地視察、財務データの分析等を行う。
さらに、キーエンスとヒロセ電機以外の部品メーカーの分析も始める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Crafting a Product Platform Strategy2013

    • 著者名/発表者名
      SHIBATA,Tomoatsu,Mituru Kodama
    • 学会等名
      PICMET‘13(Portland Intenational Conference on Management of Engineering and Technology)
    • 発表場所
      San Jose, California,USA.
    • 年月日
      20130728-20130801

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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