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本年度は最終年度であり、フィールドワークや文献などによる企業調査を継続すると同時に、国際学会や雑誌等を等して成果の普及に努めた。本研究は、長期安定的に高い収益性を維持している部品メーカーに焦点をあてて、その製品開発戦略を明らかにしようとするものである。
１）個別企業調査では、不二越やミクニなど自動車関連部品メーカーを訪問しヒアリング調査を行った。同時に、文献等の公開資料を通してヒロセ電機やキーエンスなど電子関連部品メーカーを調査した。自動車産業、電子産業など産業を問わず、コスト競争力と製品バリエーションを両立させるためには、モジュラー化への考え方が有効であることを例証した。しかし同時に、モジュラー化は従来のやり方からの転換を伴うために、現場は必ずしも積極的ではない。そのために、モジュラー化への転換を進めるためにはＣＴＯ（技術担当役員）の役割が重要である、そのことが明らかになった。
２）成果の普及は、３つのチャネルを通して行った。ケーススタディとしてまとめた学術論文を、学術雑誌へ発表すると同時に、国際学会で発表した。また、本研究科から明らかになった知見を実務者向けに平易に説明した内容を、『日経ものづくり』や『日経Automotive』などの一般雑誌に発表した。
部品メーカーの製品開発戦略や開発プロセスに関する研究は、その重要性にもかかわらず、わかりにくいこともありこれまで十分に行われてこなかった。そのような状況の中で、本研究はそのギャップを埋めようとしたものであり、得られた知見は学術的かつ実践的な一定の意義が存在すると考えられる。
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