研究課題/領域番号 |
25380500
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 久美子 東京工業大学, イノベーションマネジメント研究科, 教授 (20281719)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スマートサービス / イノベーションシステム / 国際比較 / 技術戦略 / サービスイノベーションモデル / モバイルサービス |
研究概要 |
既存関連研究をレビューし、総合的分析方法、研究のスコープ、リサーチクエスチョン、データ構築の課程や仮設を確立した。スマートサービスイノベーションシステムの課題、スコープ、実証分析対象プロジェクト、分析すべき技術経営課題を確定し、予備分析を実施した。 韓国のB2Bモバイルサービスにおけるイノベーションのダイナミクスと解明し、新しいB2Bサービスイノベーションモデルを構築した。242のモバイルサービスのデータからいかにイノベーションダイナミクスが進化し、どのような要因がモバイルサービスイノベーションに影響を与えるか明らかにした。技術とサービスの観点から分析した結果、2つ以上のサービスが結合しておきるイノベーションや新規モバイルサービスにユーザの活発な参加が引き起こすイノベーションなど、異なる6種類のイノベーションタイプを明らかにした。(論文に掲載され、PTC国際会議で発表) 日本の携帯電話向け音楽サービスを題材にして、それぞれの世代に参画していたプレーヤの役割、プレーヤ間で取引されたものを定義することで形成されたバリューネットワーク分析を実施し日本の携帯電話メーカが競争力を失っていった過程を分析した。(米国で開催されたPICMET で発表) 新技術の実用化・事業化の直前、または直後の新しい技術を対象に、事業化の阻害要因を克服・回避し、事業化を実現・推進するための実効的な新技術による事業化プロセスのモデル化を図った。(MOT学会誌に掲載済) 中国における電気自動車の発展、技術の進化過程について論文データを元に分析した。(アジアのMOTの国際会議ASIALICS で発表)スマートグリッドの初期段階の普及に関する情報収集を行い、Sussex 大学(SPRU)のエネルギー分野の研究者と意見交換を行った。ビッグデータを使った医療分野向けのスマートサービスに関する予備調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外の格式高いジャーナルを含め、この1年間で5本掲載されました。またMOTの分野の国際会議PICMETとアジアのMOTの国際会議ASIALICS で8回発表しました。スマートグリッドと医療分野のスマートサービスの研究はまだ初期の段階ですが、順調に進んでいます。(また現在査読中の論文もあります。)
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今後の研究の推進方策 |
技術マネジメント、経営システム論、技術政策論、進化経済学、複雑系科学に基づいた学際的、先進的分析手法を開発し、基本データを収集、分析を実施。 分析手法に発展改良を加え、さらに掘り下げた発展分析を実施し、思考的比較分析を行う。ケーススタディーとして中国における電気自動車産業の発展過程、及びそれに影響を与えた制度、またエネルギー分野のイノベーションを興すスマートグリッドの初期段階の開発、導入、 医療分野の電子カルテやビッグデータを利用したスマートサービスのイノベーションについてデータ収集や分析を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
2013年の11月にチュニジアで行われた国際会議TJASSTに参加し、発表する予定でしたが、止むを得ない事情により海外出張することが出来なくなりました。 今年の9月に韓国で行われるMOT分野の国際会議 ASIALICS に参加し、発表します。
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