①発展段階にあるスマートグリッドを対象に、1961-2014年における発展過程を分析する上で、スマートグリッドを構成している技術群の技術進化、技術クラスターの形成について、日欧米の特許を活用した新たな手法を開発し、米国の国際会議PICMETで発表した。その結果、スマートグリッドを構成している技術群には5つのクラスターが存在し、特に3つのクラスターを中心にイノベーションが起き、技術進化の軌跡が明らかになった。②電力事業者、IT企業等様々なアクターが関わっているスマートグリッドおける技術的学習、ビジネスモデルのイノベーションについて、国家的デモンストレーションプロジェクトに参加している企業を対象に実証分析を行い、アジアで毎年開催されるMOTの国際会議ASIALICSで発表した。その結果、価値創造(Value creation)、価値獲得(Value capture)の観点から3種類のビジネスモデルを明らかにし、またスマートグリッド分野に新規参入しているICT(情報通信)企業が重要な役割を果たしていることを見出した。③ビッグデータの利活用により、放送サービスがイノベーションによりスマート化している過程に焦点を当て、NHKと英国のBBCを対象に比較分析を行い、その結果をイギリスで行われたSussex 大学SPRU科学政策研究所50周年記念会議で発表した。ビッグデータ価値チェーンと放送業者の価値チェーンの関係を分析する新たな手法を開発し、NHKとBBCで進行中のプロジェクトを対象に展開し、ビッグデータを活用する上で、新たに創造されるサービスの特徴を明らかにした。④日本のスマートハウスの標準ECHONET に関わる異なるアクター、(政府、自治体、標準化団体、電気メーカー、ハウスメーカなど)を対象に、スマートハウスに関する技術戦略の分析を行い、海外のジャーナルに論文が掲載された。
|