研究課題/領域番号 |
25380501
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
真鍋 誠司 横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (10346249)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 製品開発 / 効率性 / 自工程完結 / 自動車産業 |
研究実績の概要 |
効率的な製品開発の実践する前提となり得る考え方として、トヨタ自動車の「自工程完結」の研究を進めた。自工程完結とは、生産現場の自働化(「品質は工程で造り込む」)をスタッフ部門にまで拡大してものであり、検査に頼らない品質保証を意味している。自工程完結の実践により、作業の手戻りが無くなるため効率性が上昇すると考えられる。 自工程完結については、学術的研究がほとんど存在しない。そこでまず、自工程完結を実践している実務家に聞き取り調査を実施するとともに、横浜国立大学で研究会を開催した。トヨタがスタッフの自工程完結の取り組みを開始した翌年(2008年)から、トヨタの1次サプライヤーの協力会である協豊会においても自工程完結の展開が図られている。研究会では、協豊会における自工程完結の実践について、3名の実務家から報告があった。 また、聞き取り調査の結果、自工程完結の効果がスタッフの効率性向上以外にも複数あることが分かった。同時に、それらの複数の効果が相互に関連しており、ひとつの体系をなしているという仮説も得られた。研究成果については、国際会議Gerpisaにおいて研究報告("Applying the Autonomation Concept to White-Collar Departments at Toyota Motors: The Basics of JKK(Ji Koutei Kanketsu)")を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
製品開発の効率性については、トヨタ自動車やそのサプライヤーにおける「自工程完結」の調査研究を開始し、研究成果については学会報告も行った。しかしながら、これまで自工程完結の実態調査に集中していたこともあり、製品開発の有効性については、研究の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
自工程完結については、今後も調査を進めて事例研究としてまとめていく。特に、中小企業における自工程完結の導入とその効果について、調査と分析を進める予定である。 また、製品開発の有効性についても、聞き取り調査を行って実態を明らかにする。特に、系列の部品メーカーと独立部品メーカーの製品開発における相違について着目する。 以上を踏まえて、質問票調査の設計に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本務校における委員会活動により、企業訪問による実態調査及びアンケートの設計/調査が十分に実施できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
海外を含めた企業訪問を複数回実施する予定である。また、質問票調査のための企業データベースの購入等には、相応の予算が必要である。
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