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2015 年度 実施状況報告書

自動車部品メーカーの製品開発マネジメント―顧客適応化と開発効率化の両立―

研究課題

研究課題/領域番号 25380501
研究機関横浜国立大学

研究代表者

真鍋 誠司  横浜国立大学, 国際社会科学研究院, 教授 (10346249)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード効率性向上 / 自工程完結
研究実績の概要

当該年度では、特に製品開発を含めたホワイトカラーの効率性向上について定性的調査を重ねてきた。より具体的には、トヨタ自動車とそのサプライヤーが推進する「自工程完結」と呼ばれる考え方と方法論について、その効果を確認した。
トヨタ生産方式(Toyota Production System: TPS)は、ジャスト・イン・タイムと自働化の2つの考え方を基本とする。このうち、自働化は、検査に頼らない品質保証を意味し、「品質は工程で造り込む」と表現されている。トヨタ自動車では、2007年から自働化の実践を社内全ての部門に展開している。ただし、製造現場における自働化の実践方法をスタッフ部門にそのまま適用することはできない。トヨタでは、スタッフ部門における自働化の実践を「自工程完結」(Ji-Koutei-Kanketsu: JKK)と名付けているのである。自工程完結とは、従業員一人一人が、後工程(カスタマー)のことを何よりも先に考えて、決して悪いものは造らず、仮に造ってしまっても後工程には流さないということを意味しする。
そこで、この自工程完結を実践している企業(X社)を訪問し、その実態と効果について聞き取り調査を行った。その結果、X社の11部門、11事例全てにおいて、自工程完結の効果が確認された。11事例の中では、効果にばらつきがみられた。最も大きな成果があった事例では、不要な工程を省いたり、新たな工夫をこらしたりすることによって、自工程完結導入以前の1/2まで工数の削減に成功していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ホワイトカラーの効率性向上については、その実態について十分調査を行えているといえる。ただし、製品開発に焦点を合わせたものはまだ実施できていないこと、及び顧客適応化に関する調査についても情報の収集が進んでいないことから、やや遅れている、と考えられる。

今後の研究の推進方策

今後の計画としては、効率性向上の実践理論として自工程完結の実態調査を進めると同時に、顧客適応化についても事例研究を進める。また、質問票調査の実施に向けて、質問項目の作成とパイロット調査を早期に終了させる。そのうえで、自動車産業を中心に、質問票調査の実施を実現させる。

次年度使用額が生じた理由

海外での自動車部品メーカーに対する調査を、予定通り実施することができなかったためである。

次年度使用額の使用計画

海外調査を実施するとともに、郵送アンケート調査とインターネットによる質問票調査を実施するために、使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] “What is Nidec's Research, Acquisition and Development (RAD) Strategy for Open Innovation?”2016

    • 著者名/発表者名
      Seiji Manabe
    • 学会等名
      INFORMS International Conference
    • 発表場所
      Hilton Waikoloa Village, Hawaii
    • 年月日
      2016-06-15 – 2016-06-15
    • 国際学会
  • [学会発表] ビジネス・エコシステムにおけるボーングローバル企業の役割―通信機器スタートアップ企業の事例―2015

    • 著者名/発表者名
      森田正人・真鍋誠司
    • 学会等名
      国際ビジネス研究学会 2015年度第8回北海道・東北部会
    • 発表場所
      北海道大学・経済学部
    • 年月日
      2015-08-29 – 2015-08-29
  • [図書] オープン化戦略2016

    • 著者名/発表者名
      安本雅典・真鍋誠司
    • 総ページ数
      400
    • 出版者
      有斐閣

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公開日: 2017-01-06  

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