研究課題/領域番号 |
25380505
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 修嗣 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (80239938)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 自動車サプライヤー・システム / 自動車サプライヤー・ / 新興国の自動車産業 |
研究実績の概要 |
本年度の実績については、次の二つの内容に整理することができる。 第一は、インドにおける日系メーカーの自動車サプライヤーに関するものである。今まで、組立メーカーの新興国進出に伴って、サプライヤーが進出してきたと思われてきた。しかし、インドにおいては、トヨタ系サプライヤーをはじめ、日系サプライヤーが、現地の民族系組立メーカーや現地の他系列となるスズキ自動車などに納入し、いち早くグローバル展開をはかってきた事情が、調査・研究で明らかになった。もちろん自らの納入実績がある組立メーカーの進出によって、生産が本格化するわけであるが、その前段階として、現地に展開していることは、組立メーカーにとっても、スムーズに、生産を立ち上げるメリットのある。アセアン地域、特にタイについては、集積地として、同じような指摘があるが、生産台数が限られていた時期のサプライヤーの対応して、重要性をもつものであると考える。 第二は、こうした日系メーカー自動車メーカーとサプライヤーの関係についてである。従来、開発や生産技術、取引関係などについては、調査・研究があるが、資本関係については、分析されてない。分析されていない最大の理由は、短期的変動がおこらず、傾向が把握しにくいためである。そこで、1996年以降、現在までの、長い期間のトヨタとそのサプライヤーの持株比率の分析を行った。 その結果は、次の2点である、まず第一は、グローバル対応、次世代対応の必要がある企業の 持株比率を高めていることである。第二は、トヨタグループ16社が相互持合いを進めるとともに、そのサプライヤーが関連会社として、二次以下のサプライヤーの持株比率を上昇させていることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査は、相手企業の事情や治安面のこともあり、当初、計画していた場所へは、行けない場合もあった。 ただ、その渡航費用で、現地の事情のわかるデータベースを購入し、研究を補完することで、順調に研究を進めたと言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、この科研費での成果をまとめるために、補足が必要なデータベースを購入・分析する。その後、成果を学会発表するとともに、論文としても公表する予定である。 なおこの成果については、すでに単著(山崎修嗣『日本の自動車サプライヤー・システム』2014、法律文化社)を出版しているが、新たな成果についても単著を検討したい。
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