研究課題/領域番号 |
25380509
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研究機関 | 青森公立大学 |
研究代表者 |
遠藤 哲哉 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (30404809)
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研究分担者 |
志賀 敏宏 多摩大学, 経営情報学部, 教授 (60404810)
井上 隆一郎 東京都市大学, その他部局等, 教授 (70438076)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コミュニティ・ビジネス / 商品開発 / イノベーション / 重量級プロジェクトマネジャー / 粘着的情報 / 利他的精神性 / 社会的価値 |
研究実績の概要 |
地方創生の動きの中でコミュニティ・ビジネス(以下 CB)に期待が集まっている。しかし CB での成功はまれである。その条件は商品開発にあり,経済的利益を獲得できる商品を継続的に開発できるか否かが成功を決める。成功商品により経済的基盤を確保する一方,社会的価値の追求を行うというポートフォリオ・マネジメントが可能になるからである。 CB が経済的に自立し,継続的に経済的価値と社会的価値を実現するためには,まずもって経済的な価値を実現できる商品開発に成功しなければならない。成功した商品で得たキャッシュフローを,収益を期待できない社会的価値の実現に投入することが不可欠だからである。その意味で,社会性と経済性の軸で商品や事業のポートフォリオ・マネジメントが CB には求められる。また,このポートフォリオ・マネジメントの中核基盤となるのが商品開発における成功である。商品開発において CB が首尾よく成功するための条件は,もちろん一般の商品同様の要素が存在する。しかし,CB の場合それに加えて,次の条件が重要である。 第一に,コミュニティ粘着的な情報の見極めと,コミュニティ粘着的なコンセプトの創出である。これは単なる特産品や地場材料を意味しない。むしろコミュニィが持つ風土や歴史そして何らかの特性に根ざした情報から生じるソフトこそ重要である。これを確立すると,独特の価値の消費者への提供につながり,きわめて稀少性が高く,かつ模倣が難しいものとなる。つまり競争力の高い商品となりうるのだ。第二に,多様な情報,利害を整理統合して,上記のコミュニティ粘着的コンセプトを核にした商品を創出するリーダーが必要であり,すなわち重量級プロダクトマネージャーと呼べるリーダーの存在が重要である。さらに第三として、これらのリーダーシップにおいて、いくつかの事例では、利他性などの精神的な特質が示唆された。
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