本研究は、株式市場から自主的に退出する企業を研究対象としている。かつて、株式の上場廃止は倒産などによるネガティブな事象として捉えられ、その数も限られていた。しかし、近年では株式市場から自主的に退場する企業が増加し、その割合は上場廃止企業全体の約8割にも上る。こうした自主的な上場廃止に焦点を当て、企業業績や持株構造、外部環境等に見られる「非上場化の決定要因」を明らかにするのが本研究の目的であり、助成期間中に挙げた成果により、目的は十分に果たしたと考えられる。本年度の成果としては、昨年度より学位請求論文として取りまとめて提出していた本研究内容について学位を取得(博士(経営学))し、その後さらに研究を深めて得た成果を、海外の学会において発表することができたほか、国内においても論文としてまとめることができた。一般書ではあるが、出版が確定している書籍にも本研究の成果が反映されている。また、国内の学会においての研究発表、および査読論文の提出も準備されており、来年度にかけて実施される予定である。
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