本研究は、株式市場から自主的に退出する企業を研究対象としている。かつて、株式の上場廃止は倒産などによるネガティブな事象と捉えられていたところ、近年では株式市場から自主的に退出する企業が年間数十社にも及ぶ状況となっている。本研究では、これらの企業がなぜ退出するのか、退出する企業にはどのような特徴があるのかを分析し、企業の経営・財務行動の背景を明らかにし、さらには株式市場や規制のあり方についての示唆を得ることができた。今後の企業経営と資本市場のあり方を考える上で、大きな意味のある研究成果を挙げ得たと考える。
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