研究課題/領域番号 |
25380511
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
赤羽 淳 横浜市立大学, 総合科学部, 准教授 (30636486)
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研究分担者 |
土屋 勉男 桜美林大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20514178)
井上 隆一郎 東京都市大学, その他部局等, 教授 (70438076)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 製品設計能力 / 工程設計能力 / Tier 2 サプライヤー / アジアローカルサプライヤー |
研究実績の概要 |
平成26年度は、2実態調査の充実を図ることに専念した。具体的には平成26年8月に中国実態調査、9月にタイ実態調査、そして平成27年3月にタイ実態調査を行い、アジアローカル企業のサンプル数をタイ系サプライヤー:15件、中国系サプライヤー:3件まで積み上げた。同時に、国内で日系中小サプライヤーの実態調査も並行して進めた。以上の調査結果にもとづき、平成26年度は製品開発能力とは独立した評価軸として「工程設計能力」を導入すべき点を明らかにした。その理由は「工程設計能力」を明示的に独立させることで、次の二つの効用を発見できるからだ。効用1:貸与図段階における能力進化が、素材・形状変更を提案する能力と工程・装置の改良やVA/VE等の能力との相乗効果(工程設計能力のダイナミズム)を通じてより詳細に評価できる。効用2:この相乗効果が、とりわけアジアローカルサプライヤーが得意とする事業多様化(ドメイン設計能力)の原動力になっていることである。 加えて、平成26年度では、二次サプライヤーは二つのタイプに分けられることがわかった。タイプ1:「ものづくり指向型」→製品開発能力と工程設計能力の同時向上をめざし、承認図サプライヤーを目指す。タイプ2:「ドメイン指向型」→貸与図段階で工程設計能力のスパイラルをはかり、積極的に事業の多様化(ドメイン設計能力)をはかる。一方で製品開発能力の向上は目指すものの、自主開発能力の獲得までは意識しない。水平展開・短期利益指向。 平成26年度の最大の成果は、独自の評価軸によって「資本指向型」のタイプを切り出すことに成功し、アジアローカル二次サプライヤーに対して多義的な評価を行ったことと考えている。これらの研究成果は、平成26年に京都大学で開催された国際学会Gerpisaで報告を行った。また現在、関連国際学術雑誌に投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究のかなめは、実態調査の積み重ねにある。これまでのところタイ系サプライヤー15件、中国系3件、日系6件の実態調査を終えており、製品設計、工程設計、ドメイン設計にかかる質問事項もおおむね聞き取ることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の課題は、中国系ローカルサプライヤーの実態調査を行い、中国系のサンプル数を10社程度まで積み重ねることである。平成27年8月に実態調査を予定している。一方、成果発表については、2015年6月に行う組織学会の発表にもとづき、論文を執筆し、学会誌へ投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費、その他経費が予定よりも安くすんだため
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の主な課題は、中国系ローカルサプライヤーの実態調査を行い、中国系のサンプル数を10社程度まで積み重ねることである。平成27年8月に実態調査を予定している。一方、成果発表については、2015年6月に行う組織学会の発表にもとづき、論文を執筆し、学会誌へ投稿する。
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