①電機産業のサービス化指標と業績との相関分析:前年度に抽出されたサービス化指標(KPI)を用いて同じく前年度に選定した国内外の電機メーカー各社の業績指標との相関分析を行った。ここでは、複数設定されたサービス化指標のどれと業績との相関性が強いかを解明することで、電機産業のサービス化による競争優位の源泉に係る仮説を構築することが眼目にある。 ②電機産業の経営実態と戦略遂行の組織分析:ここでは、研究項目Bで見出した電機産業のサービス化と競争優位に関する仮説を個別企業への詳細調査を行って、定量データでは把握しきれない各社の戦略及び経営と組織実態との関係を考察した。 具体的な方法論としては、各社の経営者や管理職層への詳細インタビュー(DeepInterview)の他に関係者を集めてのワークショップ方式による観察方式を実施した。これらの個別調査の結果に基づき、応募者が本研究の当初に設定した「動的な組織能力」の視点からの各社の評価を実施し、本研究においてこれまで得られた知見・見解についての納得性・合理性についての確認を行った。 ③結果の検証とそれを踏まえた我が国電機産業の将来モデル・シナリオの提示:ここでは、3年間(予定)の研究結果を検証し、我が国電機産業の将来モデル・シナリオについて産業界との共同によるワークショップ等を通じて検証を行った。この際、将来のグローバル経済の可能性について複数のシナリオを用意し、学術的にはもちろん、産業界等の現実解としても納得性・合理性が担保できるよう必要な修正を行いながら、本研究の成果をとりまとめた。 上記の成果に基づき、投稿論文の作成に着手している。
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