本研究は、近年、急速にグローバル市場で競争優位を失いつつある日本の電機産業に着目し、その「将来モデル・シナリオ」の分析考察を行うことを目的としている。具体的には、近年、新たな学問分野として注目される「サービス科学」の学問的基盤と問題意識に基づき、市場のコモディティ化の流れが加速するグローバル製造業の付加価値化・差異化を「サービス化」の視点から分析した。(サービス科学におけるサービス化は付加価値化・差異化とほぼ同義語である。)この際、「サービス化」に向けた企業の競争優位を事業モデルに代表される「静的な事業形態」ではなく、戦略創出を担う企業の「動的な組織能力」の視点から分析した。
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