研究では、日欧米多国籍企業が中国に設置する購買調達拠点(IPO)に焦点をあて、IPOの設置動機や役割、全社調達戦略に与える影響について国際比較を行い、グローバル調達の拡大を強化している日系多国籍企業の実態と直面する課題を検討した。中国IPOは調達可能な部品群の範囲と量を拡大するだけではなく、全社調達戦略や事業戦略にも影響を及ぼす存在になりつつあることを明らかにした。また、本社における職位とそれに伴うパワーを持つ駐在員は、IPOの成果に好影響を与える傾向が見られた。生産のみならず、調達やサービスなど海外拠点の機能が多様化する中、駐在員の役割やグローバル人的資源のあり方への示唆が得られた。
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