本研究では、フランチャイズの利用を、(1) フランチャイズの利用が実施可能な経営上の選択肢なのか、(2) フランチャイズの利用が可能だとして実際に利用するのか、という2段階の意思決定問題として捉え分析した。それによると、第1段階については、業務の標準化やマニュアル化によって本部と加盟店間での知識移転が容易になると、フランチャイズの利用が促進されることが明らかとなった。第2段階については、資産の特殊性の高まりなどによって取引費用が大きくなると、フランチャイズの利用が抑制されることが判明した。また、フランチャイズ利用の意思決定では、組織文化やリスク知覚なども影響を与えていることが明らかとなった。
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