研究課題/領域番号 |
25380520
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
菅原 秀幸 北海学園大学, 経営学部, 教授 (30255418)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | BOP / ビジネスモデル / パートナーシップ / エコシステム |
研究実績の概要 |
BOP層と企業が共有価値を創造することで、両者の利益を同時に実現することを可能とするBOPビジネスは、開発の有効なアプローチとしても着目され、インクルーシブビジネスとして開発効果も期待されている。ここに至り、BOPビジネスは新しい課題に直面し、文化的・社会的にも進出先に根ざして、持続可能な開発に寄与することが求められるようになっている。理論的に、このようなBOPビジネスの展開は可能であっても、日本企業にとって、実際の成功には多くの壁を乗り越えなければならず困難が伴っている。
利益の追求のみを目的とするビジネスとは大きく異なり、従来の発想、手法、モデルで成功はおぼつかない。2009年より経済産業省、外務省、JICA、JETORによる政策的後押しが継続されてきたにもかかわらず、難易度は高く、いまだに日本企業による成功事例は多くはない。その成功事例は想定以上に少なく、成功事例の分析から、成功要因を明らかにするという試みは限界があることが明らかとなった。
そこで仮説探索型アプローチによって、日本企業の成功の障壁となっている要因を探るために、世界の企業を対象として事例分析をおこなった。そこから明らかになったことは、製品の性能・品質のイノベーションに加えて、ビジネスモデルのイノベーションが不可欠ということ。さらに、そこにおいてパートナーシップが重要なカギの一つとなることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本企業による成功事例が想定したほどには多くなく、分析対象・分析手法の再考を余儀なくされた。そこでフィールド調査計画の再考も必要となった。
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今後の研究の推進方策 |
通常のビジネスをはるかに越えた多岐にわたるステークホルダーとの協働が求められている。現地の事業パートナー、現地の物流業者、現地の販売店、途上国政府、国際機関、NGO、BOPの人々、研究機関などとのパートナーシップであり、これによるエコシステムの構築が不可欠である。これが日本企業にとって大きな課題になっている。「パートナーシップによるエコシステムの構築」という課題にフォーカスして、さらに研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
理論的な分析、事例の実証的な分析の双方が想定したほどには進まず、フィール調査の計画変更を余儀なくされたため。
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次年度使用額の使用計画 |
パートナーシップにフォーカスして未着手のフィールド調査を実施する。
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