多国籍企業の子会社進化をグループ内の他の子会社との関係のなかで捉え直した。ASEANに進出している自動車部品メーカーを対象にした分析から、本国と受入国との距離よりもすでに進出した国での事業経験を考慮した加重距離の近さが立地選択に影響を及ぼすことが明らかとなった。シンガポールに進出した総合電機メーカー2社の事例研究からは、他の国の子会社へ機能を移管しながら製品や機能や対象市場を変化させたり、シンガポール国内あるいはASEAN地域の資金や人材を供給するネットワークのコアとして機能する進化を遂げた子会社があることが分かった。
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