研究課題/領域番号 |
25380526
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研究機関 | 桜美林大学 |
研究代表者 |
桑名 義晴 桜美林大学, 経済・経営学系, 教授 (60123121)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際経営 / 多国籍企業 / 新興国市場 / イノベーション / コラボレーティブ経営 / グローバルアントレプレナーー |
研究実績の概要 |
今年度は昨年度に引き続き、本研究課題に関連する諸理論をレビューし、それらの応用可能性や限界を研究するとともに、昨年度に構築した日系多国籍企業に対する実態調査や実証研究のための仮設、モデル、分析フレームワークをもとに海外調査を実施した。昨年の9月にはベトナムとタイに所在する日系多国籍企業の製造業5社を訪問し、ヒアリング調査を実施した。また、今年の3月にはマレーシアと香港で製造業とサービス業の5社を訪問し、ヒアリング調査を実施した。 これらの海外調査の結果については、現在整理・分析中であるが、日系多国籍企業の新たな成長のためのビジネス・モデルに関し、新たな事実や知見が得られ、昨年度構築した仮設、モデル、分析フレームワークの適応可能性と問題点が明らかになり、現在それらを今後の実態調査と実証研究のために、さらに精緻化しているところである。また、今年度は本研究課題の中の日系多国籍企業の組織構造や組織文化に関し、アンケート調査の実施のための仮設、モデル、分析フレームワークをも構築した。 このような研究活動を通じて、その成果の一部について、昨年の4月に台北で開催された国際学会で、Organizational Transformation and Human Resource Development for Emerging Markets : Some Issues for Japanese MNCsというテーマで発表した。また、11月に札幌市で開催された国際ビジネス研究学会の全国大会で、「海外子会社のイノベーションと海外人材の役割の変化 ― 日系多国籍企業を中心として ― 」(共同発表)というテーマで発表した。さらに研究論文として、「クール・ジャパン戦略とコンテンツ・ビジネスの国際展開」(『桜美林大学 産業研究所年報』33号に所収)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画の中心は、本研究課題に関連する諸理論をレビューしつつ、それらの本研究への応用可能性や限界を検討し、アジア新興国市場に進出している日系多国籍企業への実態調査や実証研究のための仮設、モデル、分析フレームワークを構築し、昨年度実施したパイロット調査に引き続き、本格的な実態調査をする予定であったが、昨年の9月と今年の3月にベトナム、タイ、マレーシア、香港で、日系多国籍企業10社に対して、それを実施することができた。現在、その調査結果を分析中であるが、日系多国籍企業の新たな成長のためのビジネス・モデルに関し、新たな事実や知見が得られ、昨年度構築した仮設、モデル、分析フレームワークの適応可能性と問題点が明らかになり、その精緻化に向けた研究作業に取り組むことができた。また、これまでの文献をベースとした研究と実態調査から得られた研究成果を部分的に利用し、国内外の学会で発表するとともに、現在さらに海外の国際大会での発表に向けて準備中である。アンケート調査に実施については、少し遅れ気味ではあるが、その仮設、モデル、分析フレームワークを構築したので、概ね計画通りに研究活動ができたと思う。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題に関する研究成果として、日系多国籍企業の新しい成長のための新しい理論やビジネス・モデルを構築するためには、引き続き国内外で実態調査や実証研究を実施し、これまで構築した仮設、モデル、分析フレームワークを検証するとともに、研究成果として理論やモデルの構築に進む必要がある。今後の研究活動は、主にそのような研究作業になるが、現在その作業を一部開始している。そして、来年度は本研究活動の最終年になるので、これまでの研究成果について整理し、研究論文を作成して国内外の学会で発表するとともに、本研究課題に近い課題を研究している国内外の専門家との討議も行い、新しい理論とモデルの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究活動の3年目には、より多くの企業でのヒアリング調査の実施と国内外での学会の研究発表にために、多くに費用がかかるので、そのために繰り越すことにした。
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次年度使用額の使用計画 |
国内外のヒアリング調査と研究成果の国内外の学会での発表のために使用する予定である。
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