研究課題/領域番号 |
25380531
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
高橋 由明 中央大学, 商学部, 名誉教授 (10055212)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 近代的管理方式 / トップ・マネジメント / 子会社管理 / 予算管理 / ゼネラル・スタッフ / ASEAN5カ国 |
研究概要 |
標記テーマで、関係文献を収集し読むと同時に、8月にマレーシアから、Mohamad Hanapi Mohamad教授を招き、専門知識をうけ、かつ共同研究の打ち合わせを行なう。 10月には、アンケートを作成し、ベトナムハノイの建築財企業Viglacera1社を訪問し、さらにバンコックの石油精製会社を訪問しインタビュー調査を実施する。 2014年3月23日より28日まで、フイリッピン、マニラのアジア・マネジメント研究所のM.E.B.Herrera教授と、共同研究の依頼と打ち合わせを行なう。さらに、同期間、大企Ayala 社、First Philippine Holding社の2社を訪問し、子会社管理の統制の内容について、本社トップ・マネジメントの構成、さらに子会社の経営者の運営上の関係、さらに予算管理の現状などについて、インタビューをした。 これまでの、調査の結果では、ヒリッピン、タイの大企業では、トップ・マネジメントによる子会社管理、予算管理の方式は、1997年のアジア通貨危機以降、かなり充実され機能していることが伺われた。また、フイリッピンでは、アメリカの管理方式が早くから採用されている印象を受けた。 これからは、子会社管理の方式の採用の歴史的分析が、ASEAN諸国の子会社管理手法の相違を明らかにする、一つの重要な要素となるように思われた。また、ベトナムでは、子会社管理の方法の近代化が十分でないが、それは社会主義の国有企業に特徴的なのか、マレーシアの国有企業との比較で明らかにする必要があろう。来年度は、この点などを意識し、インドネシアでの調査の可能性を、探っていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
標記研究の初年度の調査実施では、マレーシアからHanpi教授を招き、専門知識の提供を受けると同時に、研究の打ち合わせもできた。また、バンコック、ハノイでも、それぞれ該当企業1社を訪問し、子会社管理の方式の現状を、トップ・マネジメントの機能の仕方、予算管理、組織管理の仕方に焦点を合わせ、インタビューをした。 さらに2014年3月にはマニラを訪問し、アジア・マネジメント研究所の所長に研究協力を依頼し、またマニラ在の大企業社を訪問し、年次報告書と、ある会社では、株主総会資料の提供を受けたので、詳細な分析可能となっているので、初年度の研究成果としては、約80%の成果を修めた、といえるであろう。
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今後の研究の推進方策 |
1)今年度は、インドネシアの研究者との連絡がとれておらず、インドネシア大企業の 分析を可能にしなければならない。 2)調査対象企業を、各国とも増やし、調査しなければならない。 3)近代的管理方式(子会社管理のための、トップ・マネジメント、組織構成、予算管 理、専門スタッフの構成など)の採用は、各国、各社によって異なっているので、 アンケート項目に、導入の歴史的変遷を考慮した質問の設定が重要となる。 4)各社の年次リポートの、深い分析が重要となる。
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次年度の研究費の使用計画 |
インドネシアの調査をする必要があり、またマレーシア大企業での子会社管理調査が必要である。さらに、既に用意されているアンケートの質問項目に、近代的管理方式を採用した歴史的経過を考慮した質問を加える必要がある。 マニラとバンコックでも、調査対象企業を増やすためにも、両市で調査する必要がある。 1)標記テーマで、協力研究者を探しインドネシアを訪問する。さらに、昨年協力をし てくれたハナピー教授の協力を得て、マレーシア大企業を2-3社訪問し、インタビュー調査を行う。2)マニラ、バンコック、ホーチミンを訪問し、アンケートに基づきインタビュー調査を行う。
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