本研究では、スマートシティの建設を異業種の企業間の共創の場と捉え、各々の企業の有する技術やノウハウ、知が交流、融合する中で新たな価値が創造され、それが企業の競争優位につながるという仮説を立て、実態調査を通じて仮説の検証作業を行った。その結果、パナソニックが神奈川県藤沢市で建設を進めているFujisawa SSTのプロジェクトでは、仮説を裏付ける有為な知見が得られた。同プロジェクトでは、自律性の高い「場」、トップダウンとボトムアップの融合、リーダー企業による適切な「場」のマネジメント等の要因が新たな価値創造につながっていることが明らかになったのである。
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