研究課題/領域番号 |
25380540
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
風間 信隆 明治大学, 商学部, 教授 (60130803)
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研究分担者 |
H・R Bungsche 関西学院大学, 国際学部, 教授 (10434903)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コーポレート・ガバナンス / 共同決定 / EU企業 / モジュール化(MQB)戦略 / 共生型企業統治 / 中東欧の移行諸国 / モノづくり競争力 |
研究実績の概要 |
2014年度について,研究代表者と研究分担者は2014年10月26日から11月5日までの11日間の研究出張を行い,VWグループのドイツ子会社VWザクセンGmbH(ゴルフ・パサートの生産拠点)および中・東欧諸国での子会社,チェコの伝統的なブランドを誇るシュコダ社,ハンガリーのAUDI子会社であるジュール工場(年産200万基のエンジンを生産する世界最大のエンジン工場),スロバキアのVWブラスチラバ工場(SUVとNSFの生産拠点)を訪問し,インタビュー・工場見学を行った。その結果,VWグループの躍進の基盤の一つにこうした中東欧諸国の生産拠点の活用があることを確認することができた。 研究代表者は2013年の中国長春での一汽VWでのインタビュー・工場調査を踏まえて,アジア経営学会第21回全国研究発表大会(9月12日~14日:日本大学商学部砧校舎開催)で自由論題報告として「VWの中国合弁事業におけるコーポレート・ガバナンスと競争力」と題する報告(予稿集,36-39ページ)を行うとともに,日本経営学会関東部会11月部会(11月29日日本大学砧校舎開催)において「ドイツ企業の統治と経営-VWグループのコーポレート・ガバナンスとモノづくり競争力」と題する研究報告を行った。 研究分担者であるホルガーブングシェ氏はVWを含むドイツの自動車産業のグローバル化と企業戦略の展開に関して研究を進め,とくにフランスの自動車メーカーであるルノー社とVW社の戦略展開の相違に焦点を当てた研究を行い,こうした研究活動は[EUの産業の特徴」(市川顕編著『EUの社会経済と産業』第4章所収)および「EUにおける自動車産業」(市川顕編著『EUの社会経済と産業』第5章所収)等として発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
すでに本研究は2年が経過しているが,当初予定していた研究出張・インタビュー調査は研究分担者であるホルガーブングシェ教授の人的ネットワークをフルに活用してすべて予定通りに進んでいる。 研究代表者及び研究分担者も本研究の共同調査に基づくインタビュー記録や工場調査の結果を踏まえてそれぞれがスピード感を持って研究成果の公表に努めている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は2015年度が最終年度に当たり,今年度は米国テネシー州のVWチャタヌーガ工場とメキシコのプエブラ工場の調査を予定している。この調査により,なぜこれほど資源を投入している北米でVWグループは伸び悩み,低迷しているのかを明らかにすることができると期待される。本来,ブラジルのVW工場訪問も行う予定であったが,研究費の関係から北米拠点に焦点を合わせるものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画に沿ってこれまでドイツ・中国・中東欧諸国のVW事業拠点のインタビュー訪問調査を行ってきたが,当初の計画よりもすべての出費において節約を心がけてきたこと,2016年度にはアメリカ・メキシコの事業拠点への訪問調査を見込み,その調査を行うための意識的節約に努めた結果である。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度にはメキシコ・アメリカのVW事業拠点でのインタビュー調査(通訳代を含む)及び研究代表者と研究分担者との打ち合わせを計画しており,この調査旅費・会合旅費で支出を行う予定である。
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