研究実績の概要 |
最終年度として、過去3年の研究成果に結びつく活動に従事した結果、複数の図書、論文、研究発表、ケースの形で内外に発信することができた。1冊目の図書『異文化マネジメントの理論と実践』は、本研究課題の最大のテーマであるCDEスキーマの観点からユニークな分析を試みている。理論的視点からだけでなく、企業が海外市場で直面する現実の課題について電通、ヤマトなどの事例に基づきCDEスキーマの意義を提起している。編集上の理由から2015年度内の完成に間に合わなかったが4月5日に刊行された。2冊目の図書『文化を超えるCEOリーダーシップ』は世界的研究グループであるGLOBEの最新書"Strategic Leadership Across Cultures"の日本語版であり、太田が監訳者ならびに1章分の専門的解説を加えた。本書も編集上の理由から計画が遅れたが6月中に出版される。本書は本研究課題を裏打ちする先端的な研究成果であるため、8月に米国アナハイムで開催されるAcademy of Management Annual Meeting での発表が受理された2本の国際共同研究 "How Do MNEs Leverage Foreigness as an Asset? A Field Study of NISSAN’S Leadership" ならびに "A Comparison of Leadership Effectiveness among China, Japan, and Korea: Crossvergence Perspective" の成果に大きな影響を与えるとともに、8月にアナハイムで太田がGLOBE初の日本メンバーになる運びである。また、IMDの研究仲間と共同執筆した TA-Q-BINのビジネスモデルの知識移転に関する国際共同ケースもさらなる可能性を有する重要な成果である。
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