研究課題/領域番号 |
25380551
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
今田 治 立命館大学, 経営学部, 教授 (50232608)
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研究分担者 |
徳田 昭雄 立命館大学, 経営学部, 教授 (60330015)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 事業モデル / 調達 / 規模の経済 / グローバル開発生産体制 / 技術マネジメント / 東アジア自動車産業 / 開発・調達の現地化 |
研究実績の概要 |
本研究では主に自動車企業を対象に3年間で次の3点を明らかにしてきた。 1.完成車メーカーのグローバル開発生産体制の概要(日本と現地との開発生産の分業体制・内容)、2.完成車メーカーの新技術開発と新たな事業モデル、3.アジア3ケ国(中国、タイ、インドネシア)における日系メーカーの開発生産・調達現地化の動向と事業モデル 最終年度では、3を重点的に行い、次の点が明らかになった。 第1は、東アジアの自動車産業は、生産では世界の50%、販売では40%近くを占めるようになっており、大きな極を形成するようになってきている。いずれも中国、ASEAN諸国の伸びが著しい。第2に、中国自動車産業は、販売・生産において世界一の規模に成長し市場構造も変化してきている。乗用車、特にSUV、小型車のCセグメントが急拡大し、市場需要は東部から中西部地域にシフトしている。これまで外資との合弁企業が大きな比重を占めていたが、外資と提携しない民族系企業も成長してきている。2014年度で、日系企業は約16%の乗用車販売シェアを有しているが、シェアは低下傾向にあり、日系企業はシェア維持、拡大を意図し、中国専用車の開発、SUVの低価格化、部品の現地化を含め、現地開発や新モデルの投入を加速化している。第3に、ASEAN自動車産業は生産販売とも300万~400万台の規模に達しており、域内分業における各国の位置付けが明白になってきている。タイは、開発生産、調達など域内分業の中核としての役割を強めている。日系自動車メーカー中心に、完成車や部品の相互供給体制、輸出体制が構築され、日系自動車メーカーは圧倒的な生産販売シェアを持っている。各国の低燃費車優遇の政策などの展開も念頭に置いて、多様化する市場動向を国別に把握し、開発生産、調達の一層の現地化も含めて、域内の分業体制を柔軟に深化させることが日系企業に求められている。
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