研究課題/領域番号 |
25380559
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 |
研究代表者 |
植木 靖 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, 研究員 (40450522)
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研究分担者 |
辻 正次 兵庫県立大学, その他の研究科, 教授 (90029918)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | イノベーション / Absorptive capacity / リンケージ / ASEAN |
研究概要 |
本研究の目的は、東南アジアの地場企業が、企業内外で利用可能なリソースが、企業のイノベーション能力の向上にどのように寄与しているのか、企業レベルのデータを用いて実証的に明らかにすることである。イノベーションを起こすには、企業が技術・ノウハウといった力を高め、人材を育成し、新しいアイデアが生まれる組織やその風土が必要である。これらは企業のイノベーション力を高めるためのInternal capabilityと呼ばれる。この能力が当初から企業に備わっている訳ではなく、企業はこれを獲得しなければならない。この能力は、情報や技術をもつ多国籍企業、大学、研究機関と言った企業外の組織とのリンケージ(External linkage)から得られる。本研究は、①Internal capabilityと、②External linkageとを特定化し、次に③Internal capabilityとExternal linkageとの関係を明らかにし、④Internal capabilityか、External linkageか、いずれがイノベーションを創出する力となっているかを、実証的に明らかにすることを目指している。 平成25年度は、外部の情報を吸収するAbsorptive capacity とイノベーションを創発す るInnovation capability にはどのようなものが相当するか検討を加えた。また、これまで行ったアンケート調査データにAHP(階層分析法)を応用するなどして、capabilityの計測を試みた。一方で、Capabilityやイノベーションに影響する外部リンケージを特定するための実証分析も試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に計画していた研究内容のうち、外部の情報を吸収するAbsorptive capacity とイノベーションを創発するInnovation capabilityや、それに影響する外部リンケージに関する検討について、様々な試行錯誤を重ねる中でも、研究成果を出すことができた。イノベーション理論やInternal capability、実証分析に必要な推定方法に関する先行研究を精査し、研究の質を高める努力が引き続き必要である。
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今後の研究の推進方策 |
Absorptive capacity及びAbsorptive capacityを高めるExternal linkageの特定化のためのモデルを構築し、研究代表者、分担者が東南アジア製造企業に対して実施したアンケート調査を用いた実証分析を行う。この際には、様々な推定手法を適用し、研究の質を高めるように努力を行う。次に、このような製造業の分析結果に基づき、タイの海外研究者と情報交換を行いながら、サービス企業に対するモデルの応用可能性を検討する。研究成果の論文化を図り、学会等での発表を行い、かつ積極的に質の高い内外の学術雑誌に投稿する。
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次年度の研究費の使用計画 |
PC、ソフトウェアの購入を計画していたが、既存のものを使用した。今後、タイ等、ASEANでのアンケートの実施可能性を考慮して、人件費・謝金を支出しなかった。 海外研究者とのアンケート実施の可能性や研究内容等に関する意見交換のため、旅費への支出を計画している。
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