CRMの現場でRFM分析が広く使われていることは、これら3指標が顧客の購買行動を簡潔に集約していることを裏付けている。本論文では、まず、既存のRFM分析の問題点を指摘する。次に、消費者行動に関する基本的な仮説に基づいて、RFM指標から顧客ごとに購買頻度、離脱率、購買金額を導き出し、その顧客の未来の行動を予測することによって顧客生涯価値を算出する。 実証分析では、百貨店の顧客購買データを分析して、購買行動を特徴付ける9つの統計量を顧客別に算出し、どの顧客に、いつアプローチすれば、マーケティングROIの観点から最も効果的かという既存顧客への維持介入と新規顧客の獲得戦略に関する知見を導く。
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