研究課題/領域番号 |
25380563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
朝日 弓未 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40453823)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 購買行動 / 日本近郊アジア諸国 / 輸出入 / アンケート調査 |
研究概要 |
本研究では,日本近郊の国々を対象に店頭で取られたアンケート調査及び消費者の購買履歴データから国産食品と輸入食品(特に日本産ブランド)購買時の意思決定過程における選択基準を明らかにし,国産食品と輸入食品(特に日本産ブランド)に対する価格と購入率の関係を導き出しモデルの構築を行うことを予定している. 第1年である2013年は、調査協力を得られた香港・シンガポールを中心に現地で予備調査を行った.当初、アンケート調査の実施(予備調査も含む)及びID 付きPOS データの収集.アンケート調査は,台湾をかわきりに行う予定であったが現地の調査協力者の予定とあわなかったため,香港・シンガポールからはじめた. 調査は,同条件(立地・規模など)を考慮し「各国の首都」にあるスーパーマッケットとした.香港では,主に①City Super ②Three Sixty ③Taste ④Welcom ⑤Park n Shop ⑥華潤においての日本産野菜の現地売り場状況の確認及び,現地スーパーマーケットの顧客層の把握,今後の調査の方向性を決めるための顧客への聞き取り調査を行った. またシンガポールでは,①コールドストレッジ ②フェアープライス ③Sheng Songにおいての日本産野菜の現地売り場状況の確認及び,現地スーパーマーケットの顧客層の把握,今後の調査の方向性を決めるための顧客への聞き取り調査を行った.また両国同時に国別価格帯についても調査を行った. 2013年度は,予備調査を中心に行ってきたが日本からの輸出状況などを検討した結果,台湾などの他地域についても調査が必要としたため2014年度は引き続き他地域についても調査を行っていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では,第1年度に日本近郊の国々を対象にスーパーマーケットでの予備調査を検討しており,当初、アンケート調査の実施(予備調査も含む)及びID 付きPOS データの収集.アンケート調査は,台湾をかわきりに行う予定であったが現地の調査協力者の予定とあわなかったため,先に香港・シンガポールからはじめることとした. しかし,調査協力を得られた香港・シンガポールにおいても台湾と同様に日本産生鮮食品の輸入を活発に行っており前年度から検討してきたアンケート調査を利用した予備調査について検討する意義があった.今年度は,引き続き台湾においても調査を継続的に行っていく. また第1年度は日本を取り巻く同様の環境を持つ他国にも着目した.オランダはその一例である.欧州内で農業条件に恵まれたフランスやドイツを上回る農産物輸出額を実現しているオランダの農業スタイルについて「農業経営の効率化」「農業教育」「普及」「研究システム」「農業間での共働の促進」などの面から日本が学べる点についても確認している.国の規模の違いやEU共通市場の存在などはあるがオランダから学べる農業環境についても継続して観察していく.
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今後の研究の推進方策 |
第2年である2014年は,引き続き台湾を含めた現地調査を行っていく.2013年度に行った予備調査を参考に調査票の修正も同時に行っていく.アンケート調査の結果から購買過程に影響を及ぼすと考えられる要因は何かを消費者の店頭購買行動及び調査研究から導く.輸入品と国産品の価格と購入率の関係を導き出す.2013年度に引き続き各国の担当者と共に予備調査を元に本調査に臨む.店舗内面接調査・消費者意識に対するアンケート調査では静岡大学工学部研究科大学院学生(予備要員3名含む)に協力を依頼し行なっていく.また,スーパーマーケットによっては,顧客からの意見を書き込める独自サイトを展開しており一部,購入後の意見などが確認できたため,サイト上に記述された意見をデータ化し分析するテキストマイニングについても同時に試みる.そして各国における輸出入額からそれぞれの国における今後の輸出入額の変動についての予測も同時に試みたい.
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