研究課題
本研究の目的は、日本・アメリカ・欧州でのブランド・リレーションシップの国際比較を行い、国によるブランドと消費者の関係性の違いや共通点について明らかにすることにある。これに当たり、本研究は具体的な4つの研究課題から構成される。まず第1 の課題は、これまでのブランド・リレーションシップ研究について、国際比較という観点からのレビューを行い、それらの特徴や違い、共通点を明らかにすること、また、それらの違いに与える社会的背景を整理しまとめることである。第2 の課題は、ブランド・リレーションシップの違いについての仮説を導出し、定性調査によって検証することである。第3 の課題は、ブランド・リレーションシップを測定するための共通尺度を作成し、定量調査によってその捉えられ方の国際比較を行うことである。以下では、平成25年度~平成28年度までに実施した本研究の概要について述べていく。平成25~26年度は、文化心理学分野における消費者行動に関連する既存研究についてのレビュー、仮説の導出および調査の実施を行った。特に本研究では、消費者とブランドの関係性を探るための鍵概念として、Transition(節目・転機)に着目し、トランジションによって消費者とブランドの関係性がどのように形成されるのかについて調査分析を試みた。これらの結果は、平成25年度日本商業学会全国大会にて学会発表を行った。平成27~28年度は、それまでの研究成果に関する論文の執筆および、海外の研究者と共同で米国・フランスでの調査計画の立案を行った。ここではTransition におけるSelf-giftingに着目し、調査計画を立案した。日本における調査結果については、論文としてまとめたが、米国・フランスでの調査は、現在進行形であり、今後数年で論文としてまとめる予定である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
マーケティングジャーナル
巻: 141(Vol.36, No.1) ページ: 27-41.
Advances in Consumer Research
巻: 44 ページ: 348-352.