研究課題/領域番号 |
25380573
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研究機関 | 高千穂大学 |
研究代表者 |
庄司 真人 高千穂大学, 商学部, 教授 (50317658)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 価値共創 / サービス |
研究実績の概要 |
本年度は、サービス・ドミナント・ロジックによるサービス研究の理論的基盤を整理し、価値共創のためのリレーションシップを構築するための前提を議論した。特に今年度は、サービス・ドミナント・ロジックで近年取り上げられている、サービス・エコシステムに注目している。サービス・エコシステムは、スキルとナレッジの適用というサービスが間接的に交換され、価値が共創されていることがエコシステムとして形成されることを指すものであり、そこにはミクロ、メゾ、マクロの3つの視点がある。 これらの問題を地域というエコシステムの範囲におけるサービス・リレーションシップの分析に適用できるかどうか検討している。そこで、2者企業間のリレーションシップにおいては、交換価値が共創されることになる。そのため、短期的な視点でのリレーションシップの形成に注力されることになる。しかしながら、多くの企業や地域においては、長期的な視点でのリレーションシップの構築が求められることになる。そこには直接的な取引や商品・サービスの交換だけではなく、それらを含めたサービスの交換が求められることになる。 一方、エコシステムという視点においては、アクターの生存可能性や適用可能性を高めようすることが重要となり、交換価値の重要性が相対的に低下する。 そこで、これらのことから、リレーションシップの解明のためには、サービス・エコシステムの視点から資源統合とアクターの文脈価値志向を検討することの重要性を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フレームワークの見直しを行った関係で調査については遅れが生じているが、理論研究に注力したことで、より有用なフレームワークが構築されている。
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今後の研究の推進方策 |
構築したフレームワークをもとに、マクロの視点、ミクロの視点およびメゾの視点からサービス・エコシステムとリレーションシップの解明について検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたアンケート調査の実施を延期したため。理由としてはフレームワークをエコシステムを含めた最新の理論的進展を含めたものにするために時間がかかったことである。ただし、事例調査は継続的に行っており、大幅な遅れとはなっていない。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の通り、アンケート調査とその後のインタビュー調査に使用する。また、インタビュー調査だけでなく、質的調査を行うための専用ソフトを購入する予定である。
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