研究概要 |
本研究の目的は、情報サービス(対面的対人無形財サービス)のサービス・エンカウンターにおける従業員と顧客の間で発生する相互作用について、特にその動態的側面に注目して研究することである。具体的な研究項目は、(1)相互作用に臨む顧客の状況を明らかにする、(2)相互作用に臨む従業員の状況を明らかにする、(3)相互作用の反復によるサービス提供枠組の動態的変化を考察する、の三点であった。 研究所年度である平成25年度の研究実績は、下記の通りである。まず、文献レビューによる理論的基盤と分析枠組みの構築として、サービス・マーケティングの関連領域の先行研究文献の網羅的なレビューをおこなった。その中でも特にサービス・エンカウンターやサービス・ドミナント・ロジック等に関する領域を重点的に調べ、本研究活動で実施するアンケート調査の質問項目設計の準備をおこなった。 次に、相互作用における顧客側の状況を明らかにするためにのアンケート調査であるが、(株)ビデオリサーチ社の協力により、同社が保有している消費者パネルを対象にしたWebアンケートを6月と10月に二回実施した。集計されたデータを用いて各種統計的手法による分析をおこない、相互作用に臨む顧客の態度を規定する要因の特定と各要因間の構造的特質を明らかにした。6月に収集したデータを用いた分析結果については、中間報告として下記の学会研究大会において発表した。(①The 35th ISMS Marketing Science Conference, July 11-13, 2013, Istanbul, Turkey、②経営情報学会 2013年秋季全国研究発表大会、2013/10/27 流通科学大学)。また、10月に収集したデータの分析結果の発表は、平成26年度中に実施予定である。
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