研究課題/領域番号 |
25380576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
宮地 朋果 拓殖大学, 商学部, 准教授 (20559992)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 保険料率 / リスク区分 / 国際比較 / アンダーライティング |
研究概要 |
日本では現在、生命保険・医療保険など多くの保険商品に男女別料率が導入されている。しかし近年、国・地域によっては男女別料率を「差別」として禁止する動きがある。本研究課題「保険料率のリスク区分と公平性に関する国際比較研究」は、i「保険料率のリスク区分の現況についての国際比較」とii「保険のリスク区分における公平性に関する一般社会・保険会社それぞれの判断および、社会的・経済的背景の分析とその国際比較」について調査・検討をを進めるものである。 民間保険のリスク区分については、「公平性」や「平等」といった概念により、適正と判断されるか否かが決まる側面もあることを指摘できる。それらの判断は,客観的な要因だけではなく、人々の意識や価値観のような主観的な要因にも大きく左右される。海外の動向がそのまま日本の保険実務に影響するわけではないが、リスク区分の国際比較・分析を保険種類ごとに行い、「公平性」について考察することにより、日本国民の「保険観」を浮き彫りにすることが期待できると考える。 平成25年度は、日本保険学会全国大会の共通論題「医療保障制度と官民の役割分担」の報告者およびパネリストとして、「国民の意識が規定する官民の役割分担」というテーマについて報告を行った。研究成果を平成25年度中に論文にまとめて投稿し,『保険学雑誌』第625号(平成26年6月)に掲載されることが決まっている。また、平成26年度に開催される国際学会年次大会において、単独報告が受理された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始当初は、まず「保険料率のリスク区分の現況についての国際比較」を行い、そのうえで「保険のリスク区分における公平性に関する一般社会・保険会社それぞれの判断および、社会的・経済的背景の分析とその国際比較」を行うことを予定していた。 しかし、日本保険学会の大会共通論題の報告者・パネリストとして選ばれたため、その報告内容を考えた結果、研究調査の順番を逆にして、「保険のリスク区分における公平性に関する一般社会・保険会社それぞれの判断および、社会的・経済的背景の分析とその国際比較」を先に行うことにした。結果としては、最初に理論的考察を中心に研究を進めたことにより、本研究課題における方向性を明確に定めることができた。文献調査や学会報告,論文執筆等の進捗状況からも,おおむね順調に研究が進んでいるものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
国際比較という性質上、海外の研究者や実務家など多くの方々へのヒアリングや意見交換が不可欠である。そのため、平成26年度も引き続き、文献調査を進めていくことと同時に、国際学会における研究報告や海外への情報発信に関しても従前以上に積極的に取り組みたい。また、研究内容を書籍化していくための準備も開始する所存である。
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