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2015 年度 実施状況報告書

サービスの失敗に対する顧客の苦情発生プロセス:文化的自己観を要因とした実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380577
研究機関中央大学

研究代表者

松下 光司  中央大学, その他の研究科, 教授 (40329008)

研究分担者 土橋 治子  青山学院大学, 経営学部, 教授 (90333236)
齊藤 嘉一  明治学院大学, 経済学部, 教授 (50328671)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードサービスの失敗 / 苦情 / 顧客満足 / 文化的自己観
研究実績の概要

平成27年度においては、3つの点で前進が図れた。第1は、新しい研究アイデアの導入である。これまで共同で研究に取り組んできた在米の研究者(研究協力者)の研究機関の異動にともない、同じような形では共同で研究することが困難となり、研究の遂行の体制に若干の変更を余儀なくされた。そのため、消費者行動の比較文化アプローチに深い知見を持つ、他の研究者の支援を受けて研究を進めることにした。8月には、その研究者との研究打ち合わせのため、米国を訪問して意見交換をした。その結果、本研究に取り入れることができる新規のアイデアを導出することができた。

第2は、新しいアイデアを反映させた形での実験シナリオの確定(シナリオの内容と質問項目の確定と日本語と英語のバック・トランスレーション)である。具体的には、グループでのレストランにおける食事の場面を想定しながら、サービスの失敗が起こってしまうというシナリオを作成した。ここでの仮説を端的に言うと、「米国人よりも、日本人のほうが、親しい友人との食事という場面であれば、サービスの失敗に対しての不平をより表明する」というものである。

第3は、心理的プロセス(理論的背景)の確定である。われわれは、グループ消費において不平が喚起される理由として、「他者視点取得」、「メンタル・シミュレーション」といった心理プロセスを想定している。具体的に言えば、次のような処理を想定している。(1)日本人は、米国人よりも、相手の立場に立ちながら不平の結果を考え、自分が不平を言った場合の相手の反応を考える。(2)日本人は、米国人よりも、親しい友人との間であれば、相手は自分の不平に対して好意的に反応してくれると想像する。本研究は、2つの情報処理プロセスから、この現象を説明しようとしているのである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

在米の研究協力者を変更せざるを得なくなったため。また、研究代表者の体調不良によってスケジュールの変更があったため。

今後の研究の推進方策

研究の最終年度として、理論仮説をテストするための日米比較実験を複数回実施していくことにする。ただし、日本実験を中心に実施していくことで、限られた予算のなかで最大限の知見を得るように工夫していく。その後、学会発表の準備へと進んで、年度内には投稿する。

次年度使用額が生じた理由

本年度は、いくつかの理由により研究の遂行に遅れが出てしまったため、実証実験にまで到達することができなかった。そのため、使用額に差が出てしまった。

次年度使用額の使用計画

計画は遅れてしまっているが、計画の基本的な流れは変わっていない。最終年度は日米比較実験に対して、主に費用を費やしていく予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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